第42回ASEAN首脳会議が閉幕、ミャンマー問題や地域のEVエコシステムなど議論

(ASEAN、インドネシア)

ジャカルタ発

2023年05月15日

第42回ASEAN首脳会議(ASEANサミット)が5月10~11日、インドネシア・ラブアンバジョで開催された。

ASEAN各国の首脳や閣僚のほか、ASEAN事務総長やASEAN加盟が原則承認されている東ティモールのタウル・マタン・ルアク首相が参加した。ルアク首相は東ティモールのASEANサミット参加を歴史的なことだとし、ジョコ・ウィドド大統領に謝辞を述べた(5月10日インドネシア外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。会議では、ASEANの経済協力強化のほか、ミャンマー問題や移民労働者・人身売買被害者保護について集中的な議論を行った。

ミャンマー問題について、インドネシアのルトノ・マスルディ外相は、ミャンマー情勢に関する「5つの合意」(2021年4月27日記事参照)の遂行に進展がみられないと認めた上で、ASEANがミャンマー支援を諦めたというわけではないと言明した。ルトノ外相は「誰ひとり取り残さないというASEANの原則に立ち、ミャンマーの人々が強くいられるよう、現地での人道支援の提供を続けていく」とした(5月11日katadata)。経済協力に関しては、ASEAN域内の電気自動車(EV)のエコシステム構築に関する宣言PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を採択し、ASEANを世界のEV生産の中心にするというコミットメントを示した。加えて、国家間のデジタル決済の接続を強化し、地域内で現地通貨取引を促進するとの宣言PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)なども採択した。

次回の第43回ASEANサミットは、9月5~7日にインドネシア・ジャカルタで開催される予定だ。

(尾崎航)

(ASEAN、インドネシア)

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