ラオスのEDL発電、タイ証券取引所で社債を発行

(ラオス)

ビエンチャン発

2023年05月09日

ラオスで発電事業を行うEDL発電(EDL-GEN)は5月3日、タイ証券取引所を介してバーツ社債(15億8,860万バーツ、約63億2,000万円、1バーツ=約3.98円)の調達を5月末に実施すると発表した。目論見書によると、満期は3年8カ月で、6.5%の固定金利。調達した資金は、タイ証券取引所で満期を迎える社債の償還に使用される。タイの格付け機関トリスレーティング(Tris Rating)によると、同社の直近(2月発表)の格付けは「BBBプラス」で、見通しは「安定的」とされる。EDL発電は3月下旬にも、同様に40億7,800万バーツ(年6.5%、3年10カ月)の社債を発行したばかりだ。なお、目論見書には、ラオス政府が為替管理を強化し、タイへの外貨送金に一定の制限を課す可能性をリスクとして挙げている。

EDL発電は、国営のラオス電力公社から発電部門を切り離して2010年末に設立され、翌2011年1月にラオス証券取引所に上場した発電事業会社だ(2020年10月13日記事参照)。同社は現在、トゥンヒンブン水力発電所やナムグム2発電所など28カ所の水力発電所〔総発電容量1,790メガワット(MW)〕の一部もしくは全ての株式を保有しており、さらに2023年中に3カ所の発電所が稼働させる計画。2022年は降雨に恵まれ、ダムの貯水量が十分だったことから、水力発電量が好調で、売電による売り上げは54億バーツ(前年比25.5%増)に達した。同社はシンガポールへ4,000MWの追加売電を行うための可能性調査を実施しているという(「ターンセータキット」紙5月3日)。

(山田健一郎)

(ラオス)

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