アルゼンチン中銀、親子ローン利子送金にも事前承認を義務付け

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2023年05月18日

アルゼンチン中央銀行は4月20日、中銀通達A7746PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公布し、グループ企業間の債務(親子ローン)の利子に係る送金に新たな規制を設けた。

グループ企業からの借入金の元本返済を目的とした送金には、2020年5月28日付の中銀通達A7030PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)により、中銀の事前承認が必要となっている。中銀の事前承認の取得は困難なため、元本の返済は事実上できなくなっている。中銀は今回、利子の送金についても中銀の事前承認が必要とした。期限は2023年12月31日までとしているが、期間が延長される可能性がある。

規制を強化する背景には、極端な外貨不足の問題がある。IMFが2023年4月3日に公表した拡大信用供与措置(EFF)第4回レビューに関するスタッフレポートは、2022年末時点の通貨スワップ協定分を除いた外貨準備高は、輸入の3カ月分を下回っていると指摘しているほか、2023年の外貨準備高の純増見込み額を48億ドルから26億ドルへと下方修正した。今回の措置は、外貨の流出をさらに抑制するためのものとみられる。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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