2023年のGDP成長率は7.2%の見通し

(コートジボワール)

アビジャン発

2023年05月12日

コートジボワールのアラサン・ワタラ大統領は4月25日、両議院合同会議で行った施政方針演説で、コートジボワール経済は好調であり、2023年のGDP成長率を7.2%とする政府見通しを発表した。

ワタラ大統領は、GDPの成長率が新型コロナウイルスによる影響で2020年には1.7%に減速したものの、その後2021年と2022年にはそれぞれ7.4%、6.7%のプラス成長を維持し、力強い成長を続けていると評価した。また、債務残高はGDPの55%で、国内外の投資家や金融市場の信頼を引き続き享受していると言明した。一方、国際情勢に伴う不確実性により、政府は引き続き慎重に対応する必要があると述べた。

政府が3月に発表した「主要マクロ経済指標」(添付資料「表1 需要項目別GDP成長率予測」、「表2 産業別GDP成長率予測」参照)によると、2023年の産業別動向では、カカオ豆の生産減少が見込まれる輸出用作物部門(1.5%減)は不調の一方で、堅調な需要を背景にエネルギー(23.9%増)、建設(21.9%増)、運輸(9.5%増)、電気通信(9.0%増)、農産品加工(7.8%増)、その他製造業(7.8%増)、商業(7.8%増)、石油精製(7.0%増)部門は好調に推移する見通しだ。

需要項目別にみると、民間消費は雇用・所得環境の改善に支えられて堅調に推移し、5.6%の伸びを見込んでいる。政府消費は、優先課題への支出を重点配分しつつも、支出の効率化を図る取り組みから、3.3%増となる。民間投資は、政府による積極的なインフラ支出、需要が高まる製造業、サービス業での生産設備拡張に加えて、住宅建設のほか、鉱物資源開発を中心に国外からの直接投資も増え、14.6%増となる。公共投資は、国家開発計画の下、大型予算で積み増しされたインフラ整備や公共事業の進展で、9.6%増の見通しだ。

インンフレ率は、国際的なエネルギー価格の上昇や国内での食料品価格の上昇により、3.7%と予想される。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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