ドイツの自動車・部品関連企業の6割、スタートアップと協力

(ドイツ)

ミュンヘン発

2023年05月31日

ドイツ自動車産業連合会(VDA)は5月23日、ドイツの自動車・部品関連企業によるスタートアップ企業との協力に関するアンケート調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。VDAによると、同テーマによる自動車・部品分野の調査は初だという。

同調査は、ドイツの主要経済研究機関の1つのケルン経済研究所(IW)とVDAが共同で実施した。回答企業数はVDAの会員企業を中心とする国内の78社で、うち59社が自動車部品サプライヤー(注)。回答企業の国内従業員数は「501~3,000人」が最大で36%を占め、年間売上高は「1億ユーロ以下」が36%で最大だった。約半数が1950年以前に創業している。アンケートはオンラインで行い、実施時期は2023年3月。

アンケート結果によると、回答企業の6割が既にスタートアップと協力経験があり、または、現在協力していると回答した。具体的な協力形態は(複数回答可)、「スタートアップから製品またはサービスを購入」が70%で最も多く、「定期的にプロジェクトやプロトタイプの開発で協力」が68%と続いた。

スタートアップとの協力目的の達成度を聞いたところ(複数回答可)、「製品ポートフォリオの拡充」目的では、「目的を達成」または「目的を一部達成」したと回答した企業が合計74%に達した。続いて、「新技術の獲得」目的では合計70%、「イノベーション力の向上」目的では合計66%が「目的を達成」または「目的を一部達成」したと回答した。

一方、スタートアップとの協力での障害(複数回答可)については、「人的リソースの不足」が74%で最大だった。続いて、「スタートアップ側の成熟度・信頼性・継続性に関する不安」が67%となった。スタートアップとコンタクトに至った方法(複数回答可)としては、「展示会」が72%、「企業ネットワーク」が72%で並んだ。続いて、「個人のネットワーク」が57%、「研究機関のイベント」と「業界団体のイベント」がともに55%だった。

IWはアンケート調査結果から、ドイツの自動車・部品関連企業とスタートアップとの協力機会の拡大の余地があるとした。その上で、企業とスタートアップとのマッチング支援が必要で、VDAなどの組織が仲介役として寄与できるとした。

(注)自動車部品サプライヤーには、部品や付属品製造のほか、ソフトウエア、開発サービス提供の企業も含む。

(高塚一)

(ドイツ)

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