米オンライン決済プラットフォームのベンモ、10代向けアカウント新設

(米国)

サンフランシスコ発

2023年05月26日

電子決済のペイパル(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ)は522日、同社が所有する決済プラットフォームのベンモ(Venmo)に10代向けのティーン・アカウントを新設したと発表した。ベンモは米国で利用されるオンライン決済プラットフォームの1つ。事前にアプリをダウンロードして、クレジットカードやデビットカードなどの決済情報を登録することで、同アプリ利用者のアカウント検索やQRコード読み取りなどにより、送金や支払いを要請できる。

今回の発表によると、1317歳の若者の保護者がベンモのティーン・アカウントを開設することで、家族や友人間で送金や入金ができるようになる。ティーン・アカウントの開設・維持に月額料金はかからず、ティーン・アカウントは保護者のアカウントとは別の残高で管理される。また、専用のデビットカードが付属する。このため、ティーン・アカウント利用者はベンモのアプリで自分の支出を追跡できるようになり、保護者が経済的な責任や金融リテラシーを教えるのに役立つとしている。また、ティーン・アカウントは直接入金を受け取る機能もあることから、放課後のアルバイト先から直接入金を受けることなどもできる。

一方、各ティーン・アカウントは保護者のアカウントと結びつけて管理され、保護者には必要な制限やアカウントの監視機能が提供される。具体的には、保護者は5つのティーン・アカウントを監視することができ、残高や取引記録の表示、ティーン・デビットカードのPIN番号の管理、デビットカードのロックと解除、友人リストの確認、特定ユーザーのティーン・アカウントとのやり取りのブロックといった機能が備わっている。ティーン・アカウントのプライバシー設定はデフォルトで非公開に設定されており、保護者だけがそのプライバシー設定を変更できる。

同社の調査によると、Z世代(注)の45%以上が個人の資産管理を学ぶために大人と会話することを好むという。また、保護者の50%以上が、お金の管理に関して自分の子どもが学ぶためにアプリを使うことに関心があるとされている。ドイツの調査会社スタティスタが2022年に米国のオンライン決済利用者を対象に実施した調査(回答者4,239人)によると、最も利用するブランドとして、ペイパル(82%)がトップとなり、ベンモ(39%)、グーグルペイ(30%)、アップルペイ(29%)、アマゾンペイ(26%)などが続いた。

(注)一般的に、1990年代中盤・後半から2010年代前半にかけて生まれた世代。

(石橋裕貴)

(米国)

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