政府はディーゼル燃料価格と公共交通料金を値上げ

エジプト石油・鉱物資源省は5月4日、燃料価格委員会を開催し、原油および石油製品の国際価格の上昇を理由として、ディーゼル燃料の価格を1リットル当たり7.25エジプト・ポンドから8.25ポンド（約36.3円、1エジプト・ポンド＝約4.4円）に改定した。3月4日に値上げされたガソリン価格は据え置かれた。

また、地方開発省は同日から、市民の足となっているバス、タクシー、マイクロバスの料金を10％値上げした。突然の値上げにより、新料金が適用された初日には混乱も見られた。

エジプトでは、3月の物価上昇率が前年同月比で32.7％となるなど（2023年4月13日記事参照）、インフレが市民生活を圧迫している。政府は補助金で燃料や食品の価格を抑えてきた（2023年3月31日記事参照）。一方で、政府とIMFが2022年12月に合意した30億ドルの金融支援では、補助金支出の抑制を含む財政規律の順守や、経済改革の進捗の定期的なレビューが条件となっている。

（福山豊和）