欧州向け発電用石炭輸出が急増

(コロンビア)

ボゴタ発

2023年05月29日

統計局(DANE)の輸出統計によると、コロンビアの2023年第1四半期の石炭(一般炭および原料炭)輸出量は1,323万トンで、前年同期比10.6%増だった。輸出額は257,309万ドルと、74.2%増の大幅な伸びになった。

発電用の石炭である一般炭の輸出量は、全体で1,275万トンと9.8%増だった(添付資料表参照)。このうち、オランダ向けが276万トン(3.4)、ポーランド向けが184万トン(3.5倍)とそれぞれ3倍を超える増加を示すなど、欧州向けが急増した。一方、前年の同時期に最大の輸出先だったトルコ向けが130万トンと60.9%減少した。

製鉄用の原料として用いられる原料炭の輸出量は、48万トンと40.3%増加した。最大の輸出先である中国向けが20万トンと4.5%増、次いでブラジル向けが73.8%増となっている。一般炭、原料炭の輸出単価を比較すると、前者の方が4.8%高い。

なお、原料炭からつくるコークスの輸出量は88万トンと29.1%減、また輸出額では28,058万ドルと41.0%の減少になった。最大の輸出先であるブラジル向けが26万トンと33.0%減、インド向けが13万トンと43.7%減になっている。全国石炭生産者連盟(Fenalcarbon)のカルロス・カンテ会長は、この状況について「世界の鉄鋼生産の縮小が反映されている。コロンビアにとってはブラジルなど主要な輸出先の需要が減少した」とコメントしている。

(アンドレス・ゴンサレス)

(コロンビア)

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