山東省、消費品リコール管理弁法(試行)が5月17日に施行予定、管理業務の体系化が進む

(中国)

青島発

2023年05月09日

中国・山東省市場監督管理局が4月11日に公布した「山東省消費品リコール管理弁法(試行)」は5月17日に施行予定となっている。なお、有効期限を2025年5月16日までとしている。

国家市場監督管理総局は「消費品リコール管理暫定規定」を2019年11月21日に公布しており、同規定は消費品リコールの基本概念や主要な手続き、生産者の主要な責任義務を明確にし、消費品リコール業務の主要な法的根拠となっていた。今回の弁法は、同規定および「中華人民共和国消費者権益保護法」などに基づき、山東省における消費品リコール管理業務を体系化し、消費品リコールに係る業務の効率化を目的に、2022年11月7日から12月6日までのパブリックコメントの募集を経て制定に至った。

同弁法は、目的および根拠、適用範囲、関連部門の職務分掌、手続きなどの19条で構成されている。第10条では、生産者がリコールを実施する際に、以下の手続きを踏むよう、規定している。

  1. 欠陥のある消費品の生産、販売、輸入を直ちに停止し、欠陥のある製品の取り扱い停止について他の事業者に通知する。
  2. 10営業日以内に山東省市場監督管理局に消費品のリコール計画を報告し、また国家消費品リコール総合管理情報システム上で報告する。
  3. リコール計画を報告した日から3営業日以内に、公衆に分かる方法でリコール情報を公表し、公衆からの問い合わせも受け付け、リコール計画に沿ってリコールを実施する。他の事業者はその事業所においてリコールに関する情報を公表しなければならない。
  4. 直ちに訂正または補足のラベルを貼付し、修理、取り換え、返品などの措置を講じ、欠陥を取り除くこと。また、安全性に関わるリスクを低減または除去し、欠陥の残る消費品を再び市場に投入してはならない。
  5. リコールを実施した日から3カ月ごとに山東省市場監督管理局に対し、リコールの段階的な報告を行ない、リコール計画完了後15営業日以内にリコールに関する総括を提出する。
  6. リコールの記録を作成・保存する。リコールの記録の保存期間は5年を下回ってはならない。

山東省市場監督管理局の于延軍研究員は、4月18日に開かれた同弁法に関する記者会見で、2019年以降、山東省では幼児用ベッドの手すり、文房具、家電製品など30種類近くもの消費品のリコール監督管理に重点を置き、事故の防止や品質の向上に努めていると述べた。また、傷害、火災、感電などのリスクのある、87社が生産した43万3,600件の欠陥消費品に対し延べ99回のリコールを実施し、企業が45件の潜在的な品質不良を発見し取り除くことを支援したという。

(赤澤陽平)

(中国)

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