4月の消費者物価上昇率、13カ月ぶりに10%を下回る
(チリ)
サンティアゴ発
2023年05月15日
チリ統計局(INE)の5月8日付発表によると、4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前月比0.3%だった。前年同月比では9.9%となり、13カ月ぶりに10%を下回った(添付資料図参照)。2023年1~4月の累計は2.1%となっている。
前月比上昇率を費目別にみると、12項目中7項目で価格の上昇がみられ、最も上昇したのは医療(1.5%)で、酒類・たばこ(0.9%)、交通(0.8%)の順だった(添付資料表参照)。医療では診察や外来手術の価格が上昇し、交通では航空輸送サービス、都市間のバス輸送サービスの価格が上昇した。一方で、娯楽・文化は前月比マイナス1.7%と下落した。休暇シーズン(12~2月)や入学シーズン(3月)が過ぎ去ったことによって、一時的に高まっていた旅行パッケージ、本、辞書などの需要が落ち着き、価格もそれぞれ低下した。
マリオ・マルセル財務相はINEの発表を受けて、「消費者物価指数が1桁台まで下落したことを評価する。2023年上半期は8%に近い数値で終えると予想され、これは、2022年8月のピーク時(14.1%)と比較して大幅な低下を意味する」とコメント。なお、チリ中央銀行が2023年5月初めに実施した経済見通しに対する聞き取り調査によると、2023年のインフレ率予想の中央値は5%となっている。
(岡戸美澪)
(チリ)
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