4月の乗用車販売は前年同月比12.9%増、12カ月連続でプラス成長
(インド)
ベンガルール発
2023年05月22日
インド自動車工業会(SIAM)は5月12日、2023年4月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車〔多目的自動車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、前年同月比12.9%増の28万4,271台で(添付資料表1参照)、2022年5月以降12カ月連続のプラス成長を記録している。自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)では、16.1%増の166万5,805台だった。
SIAMのラジェシュ・メノン事務局長は「2023年4月の乗用車販売台数は過去最高と成長を取り戻しており、三輪車は新型コロナウイルス感染拡大前の水準に近付いている」とコメントした。また、ビノド・アガルワル会長は「乗用車、二輪車、三輪車のすべてのセグメントが前年同月比で増加しており、これからモンスーンの季節で降雨量が多くなることは、自動車産業の成長維持の一助となるだろう」との見解を示した。
2023年4月単月のセグメント別乗用車販売をみると、一般乗用車とUVは、それぞれプラス成長を確保したものの、バンは前年同月比8.7%減の1万508台となった。
メーカー別乗用車販売では(添付資料表2参照)、首位のマルチ・スズキは13万7,320台で前年同月比12.6%増、韓国の現代は13%増の4万9,701台、地場のマヒンドラ&マヒンドラは54%増と大きく伸ばし3万4,698台、韓国の起亜は22.1%増の2万3,216台と増加した。ほかの日系メーカーでは、トヨタ・キルロスカが6%減の1万3,896台、ホンダが32.5%減の5,313台、日産が24%増の2,617台と増減があった。なお、地場のタタ・モータースはSIAMの4月単月の統計には含まれていないが、同社発表によると電気自動車(EV)を含め4万1,587台(前年同月比13%増)を売り上げたもようだ。
車種別でみると、一般乗用車では、スズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など計7万4,935台)、同ミニモデル(「アルト」など計1万4,110台)、現代のコンパクトモデル(「i20」など計1万8,396台)などの販売台数上位は変わらず。またUVでは、スズキ(「ブレッツァ」など2万620台)が2万台を超え、マヒンドラ&マヒンドラのコンパクトUV(「ボレロ」など計1万9,418台)、同スポーツ用多目的車(SUV)(「スコーピオ」など計1万4,374台)、現代(「クレタ」など1万4,186台)が続き、コンパクトUVを筆頭に数を増やしている。
4月単月の二輪販売は前年同月比15.1%増の133万8,588台だった(添付資料「表1 2023年4月の部門別自動車の国内販売台数」、表3 2023年4月の主要メーカー別二輪車国内販売台数」参照)。主要部門のオートバイは14.1%増の83万9,274台、スクーターは19.6%増の46万4,389台と増加した一方、モペッドは9.9%減の3万4,925台と減少した。
(松田かなえ)
(インド)
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