カタール・エナジー、テクニップエナジーズとCCCと100億ドルのLNG事業契約締結

(カタール、フランス、ギリシャ)

中東アフリカ課

2023年05月25日

カタールの国営エネルギー会社カタール・エナジーは5月16日、フランスのエンジニアリング大手テクニップエナジーズとギリシャのエンジニアリング会社コンソリデーティット・コントラクターズ・カンパニー(CCC)による合弁会社と、100億ドル規模のEPC契約(注1)を締結したと発表した。

同契約は、カタールのガス田「ノース・フィールド」の南部で実施する拡張計画「ノース・フィールド・サウス」で、年間合計容量1,600万トンの2基の液化天然ガス(LNG)メガトレイン(注2)を建設するもの。同施設は年間150万トンの二酸化炭素(CO2)分離・回収施設を含むため、同様のLNG施設と比較して、温室効果ガス排出量を25%以上削減できるとしている。

カタールのサード・シェリダ・アル・カアビー・エネルギー担当国務相兼カタール・エナジー最高経営責任者(CEO)は今回の契約について、2035年までに年間1,100万トン以上のCO2を分離・回収するという目標達成に向けた重要な一歩と述べた。

カタールはノース・フィールド拡張プロジェクトとして、第1段階のノース・フィールド・イースト(NFE)と、第2段階のノース・フィールド・サウス(NFS)の2つを計画している。NFEでは、LNG生産能力を現状の年間7,700万トンから2025年までに1億1,000万トンに引き上げ、NFSでは、それを2027年までに1億2,600万トンとする予定だ。NFEでは2022年6月から大手石油会社トタルエナジーズ(フランス)、エニ(イタリア)、コノコフィリップス(米)、エクソンモービル(米)、シェル(英)の5社とパートナーシップ合意を発表し、NFSでも同様に、2022年9月以降、トタルエナジーズ、シェル、コノコフィリップスとの合意を発表している。2022年11月には、ノース・フィールド拡張プロジェクトとしては初めて、カタール・エナジーと中国石油化工(シノペック)の間で年間400万トン、27年間の長期LNG売買契約が締結されたほか、コノコフィリップスとはドイツ向けに年間最大200万トンのLNGを供給する長期契約2件を締結した(2022年12月7日記事参照)。

(注1)設計・調達・建設を含む建設工事請負契約。

(注2)LNGの生産設備ユニット。

(久保田夏帆)

(カタール、フランス、ギリシャ)

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