農民工人口が微増、平均年齢も上昇

(中国)

北京発

2023年05月11日

中国国家統計局は4月28日、「2022年農民工観測調査報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。それによると、2022年の中国の農民工人口は前年比1.1%増の2億9,562万人だった(添付資料表参照、注1)。国家統計局は「農民工人口の総数と平均月収は継続的に増加している」との見方を示した。

受け入れ地域別に農民工人口の増減をみると、中部地域が前年から200万人増(前年比3.0%増)と最も増加しており、その増加分は全国の増加数のうち64.3%を占めた(注2)。東部地域は9万人増(0.1%増)、西部地域は156万人増(2.5%増)、東北地域は51万人減(5.7%減)、その他の地域(香港、台湾、マカオ、国外)は3万人減(4.4%減)だった。

報告によると、2022年の農民工の平均年齢は42.3歳で、前年より0.6歳上昇した。年齢別構成比をみると、全体の47.0%と最も構成比が大きい40歳以下が前年比で1.2ポイント低下した一方、51歳以上の構成比が前年より1.9ポイント高まって29.2%となった。性別では、農民工総人口に占める女性の割合は36.6%で、前年より0.7ポイント上昇した。

2022年の農民工の平均月収は前年比4.1%増の4,615元(約9万円、1元=約19.5円)だった。このうち、戸籍地外農民工の収入は4.5%増の5,240元、戸籍地内農民工は3.8%増の4,026元だった。

業種別で見ると、農民工の就業が集中している業種(製造業、建築業、卸・小売業、交通運輸・倉庫・郵政業、ホテル・飲食業、住民サービス・修理・その他サービス業)の平均月収はいずれも前年比で増加した。このうち、製造業は前年比4.1%増の4,694元、建設業は4.2%増の5,358元、卸・小売業は4.8%増の3,979元だった。

農民工の就業地域別に平均月収の伸びを見ると、東部が前年比4.5%増の5,001元、中部が4.3%増の4,386元、西部が3.9%増の4,238元、東北部が0.9%増の3,848元となった。

(注1)同調査報告の定義によると、「農民工」とは、戸籍が農村部にあり、年間を通じ戸籍地内で農業以外に従事しているか、戸籍地外で年間6カ月以上従業している労働者を指す。このうち、戸籍が所在する郷鎮(中国の行政単位で日本の町村に相当)で従業するものを「戸籍地内農民工(本地農民工)」、戸籍が所在する郷鎮以外で従業する農民工を「戸籍地外農民工(外出農民工)」と定義している。

(注2)同報告の地域区分は次の通り。中部地域(山西省、安徽省、江西省、河南省、湖北省、湖南省の6省)、東部地域(北京市、天津市、河北省、上海市、江蘇省、浙江省、福建省、山東省、広東省、海南省の10省・市)、西部地域(内モンゴル自治区、広西チワン族自治区、重慶市、四川省、貴州省、雲南省、チベット自治区、陝西省、甘粛省、青海省、寧夏回族自治区、新疆ウイグル自治区の12の省・市・自治区)、東北地域(遼寧省、吉林省、黒龍江省の3省)。

(趙薇)

(中国)

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