米コロラド州知事、クリーンエネルギー対策など5法案に署名、2050年までに温室効果ガス排出量を2005年比で100%削減目指す

(米国)

ロサンゼルス発

2023年05月22日

米国コロラド州のシャレッド・ポリス知事(民主党)は5月11日、クリーンエネルギー対策法案やガス・電力供給事業者規制法案など5つの州法案に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロを目標とする法案や、クリーンエネルギーに関する税額控除や補助金を創設する法案、高騰するガス・電気料金に対処する法案などが成立した。各法案の概要は次のとおり。

  1. 州法案(sb23-16):2045年までにGHG排出量を2005年比で90%削減、2050年までに100%削減を目標とする。
  2. 州法案(hb23-1272):電気自動車(EV)の購入またはリースの税額控除を拡大するほか、GHG排出量削減を促進するための産業施設、地熱活用に向けたプロジェクト関連費用、地熱発電、ヒートポンプ技術の展開、EVの販売、持続可能な航空燃料(SAF)生産施設の建設に関する税額控除を創設する。また、中型や大型の電動トラックの売り上げの一部について、所有税の一時的な軽減措置を設ける一方で、石油とガスの生産に関するセバランス税(注1)の税額控除を一時的に削減する。
  3. 州法案(sb23-291):ガスや電気供給業者が料金算定手続きにかかった費用などの消費者への転嫁を制限するほか、天然ガス価格変動に対するリスク管理計画提出をガス供給事業者に求める。
  4. 州法案(hb23-1234):太陽光発電の許可や検査に関する補助金プログラムを創設する。本補助金プログラムでは、地方自治体に対して、許可や検査の自動化のためのソフトウエア導入に活用する資金を提供する。
  5. 州法案(hb23-1252):建物の地熱エネルギー利用システム導入を支援するための補助金プログラムを創設する。また、9万人以上の顧客を持つガス供給事業者が提出を求められているクリーンヒート計画(注2)における適格な資源として、熱エネルギー(注3)を追加する。

(注1)金属鉱物、モリブデン、石油・ガス、オイルシェール、石炭の生産・採掘に対して課される税金。

(注2)二酸化炭素(CO2)とメタンの排出を削減するクリーンヒート目標を達成するために、クリーンヒート資源をどのように利用するかを示す計画。

(注3)本法案における熱エネルギーとは、温度制御や家庭用温水の提供を目的として、建物から熱を追加または除去するために使用される配管された不燃性の流体を意味している。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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