人材誘致の優遇対象専門職種を拡大、13職種から51職種に

(香港)

香港発

2023年05月25日

香港特別行政区政府は5月16日、人材確保で優遇対象となる専門分野を示したリストPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の対象を13職種から51職種に拡大すると公表した。同時に、香港域外の人材を誘致するために設けた優秀人材入境計画(QMAS、注1)と、一般就業政策(GEP、注2)、中国本土からの人材計画(ASMTP)にも同リストを適用する。

香港政府は、2022年10月に表明した施政報告で(2022年11月1日記事参照)、さまざまな分野の専門的・技術的人材の最新の不足状況を反映したリストを更新すると公表しており、今回のリスト更新はそれを反映したもの。

最新リストには、9業種51職種が示されている。9業種は、(1)ビジネスサポート、(2)クリエーティブ産業、芸術・文化および舞台芸術、(3)開発・建設、(4)環境技術サービス、(5)金融サービス、(6)ヘルスケアサービス、(7)イノベーションテクノロジー、(8)法律・紛争解決サービス、(9)海運サービスで構成している。

また、QMASでは、申請者が同リストに記載された各職種の要件を満たせば、審査で30ポイントが加点され、ビザ承認の可能性が高まる。GEPとASMTPの下、2022年12月から、同リストに記載された職種の人材を採用する場合、香港内での採用が困難なことを示す証明の提出が不要となった。これにより香港企業は域外人材の雇用にかかる時間を短縮することが可能となった。

(注1)2006年6月に導入した高度人材誘致計画。2018年8月に11職種のリストを公表し、2021年に13職種に拡大。2020年に人材受け入れ枠を1,000人から2,000人、2021年10月の施政報告で4,000人に拡大するとした。

(注2)香港域外の専門家(中国本土を除く)と企業家向けの誘致人材計画。

(松浦広子)

(香港)

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