デポジット制度を視野にリユース用ガラス容器生産プロジェクト開始

(フランス)

パリ発

2023年05月22日

包装容器のリサイクルや管理を行うエコ・オーガニズム(注)のシテオ(CITEO)は5月9日、メーカー、流通業者など食品関係者を集めた会合で、再利用(リユース)可能なガラスの食品容器の生産プロジェクトを発表した(プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。デポジット制度を視野に入れたリユースへの取り組みを開始する。

具体的には、回収、洗浄、リユースが全国レベルで統一的にできるようシテオが容器を開発、標準化し、シテオと同日パートナーシップを締結したガラスメーカーのO-Iフランスおよびべラリアが製造する。5月10日付のレゼコー紙によると、すでに約30種類のリユース用ボトル、広口瓶が開発されている。また、容器にはリユース用と識別できるようロゴを入れている。

シテオとその子会社アデルフは2023年から2029年まで毎年、リユース・ソリューションの開発のために企業から集めた拠出金の5%に当たる5,000万ユーロを、包装容器のリユースに向けた取り組みに充てる。ガラス以外にも、ステンレスやプラスチック樹脂などの素材による他の製品分野のリユース可能な容器の開発も行う。

食品・飲料メーカーや流通大手のダノン、ハイネケン、カルフールなど10社は、すでにシテオと作業部会を構成し、販売までのテストを行うとしている。

現在のリユース可能な包装容器の市場投入量は全体の1~2%にすぎないが、循環経済法の2022年4月8日付施行令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、2027年までに包装容器のリユース率を10%にすると規定している。今回の取り組みの発表はその目的達成に向けた第一歩となる。

(注)拡大生産者責任の枠組みの中で、国の認可を得て、リサイクルや廃棄物の管理を行う非営利企業。

(奥山直子)

(フランス)

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