ENEOS、米国の大型森林ファンドに出資へ

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年05月12日

ENEOSは5月11日、同グループの米国法人を通して、住友林業グループが米国において組成・運営する森林ファンド(Eastwood Climate Smart Forestry Fund I)へ出資すると発表した。現時点で、芙蓉総合リースおよびユニ・チャームも出資を表明している。

ENEOSは本出資により、北米を中心に森林を購入し、木材販売などから得る利益や森林が生み出すカーボンクレジットを出資者へ還元して、社会全体のカーボンオフセットに貢献するとしている。本ファンドは、森林が持つ炭素吸収・固定機能や生物多様性、水資源の保護などの多面的機能が十分発揮できるよう、持続可能な森林経営の実践が可能という。

ENEOSグループは、スコープ1(注1)とスコープ2(注2)の二酸化炭素(CO2)排出量を2030年度までに2013年度比46%削減、そして2040年度までにカーボンニュートラル実現という目標を設定している。目標達成に向け、同社の温室効果ガス(GHG)排出抑制、CO2回収・貯留(CCS)、CO2除去(森林吸収など)に広く取り組んでおり、本ファンドについてもカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの足掛かりになるとしている。

今後も同社は、カーボンニュートラル社会の実現に向け、CO2の自然吸収増加に向けた取り組みを推進することで、「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」との両立に向けて挑戦する方針だ。

ENEOSは米国で脱炭素化の取り組みを進めており、2023年1月に、芙蓉総合リースとスイスのアドバンスド・パワーと共同で出資参画した、米国テキサス州フォート・ベンド郡の太陽光発電事業「カットラス・ソーラー」が商業運転を開始したと発表した(2023年1月30日記事参照)。

(注1)京都議定書に定められているCO2、メタン(CH4)など6つのGHGガスの直接排出量。

(注2)エネルギー起源の間接排出量。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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