オマーンのハイサム国王がイラン訪問、4つの協力文書に署名

(イラン、オマーン、エジプト)

テヘラン発

2023年05月31日

オマーンのハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード国王は5月28~29日、イランのイブラーヒーム・ライーシー大統領の招待を受け、政府高官らと共にイランを公式訪問した〔5月28日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

ハイサム国王は滞在中、ライーシー大統領、アリー・ハーメネイー最高指導者らと会談した。ライーシー大統領は「イランとオマーンの関係は、商業段階から投資段階に格上げされた」と述べた。協力拡大に適した分野として、産業、貿易、通信、防衛・安全保障、海運などの交通インフラ、金融、エネルギーなどを挙げ、イランとオマーンの当局により、相互投資の発展のための支援基金の創設が最終的に完了したとした。

ハイサム国王は、2022年のライーシー大統領のオマーン訪問以来(2022年5月25日記事参照)、2国間関係と地域協力のレベルは大幅に向上し、貿易量は2倍になったものの、さらなる努力が必要だと述べた(5月28日付イラン大統領府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

なお、イラン税関によると、イラン暦1401年(西暦2022年3月21日~2023年3月20日)のオマーンとの貿易額は、イランからオマーンへの輸出が約11億ドル、オマーンからイランへの輸入が約8億ドルで、合計約19億ドルとなっている(添付資料表参照)。

両国は5月28日、経済、投資、フリーゾーン、エネルギーの分野における4つの協力文書に署名した(5月28日付IRNA通信外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

5月29日に会談をしたハーメネイー最高指導者は「オマーンとイランは非常に重要なホルムズ海峡を共有しているため、両国間の協力強化は極めて重要だ」と述べた。また、ハイサム国王が、イランとの関係を再開したいとするエジプトの意向を伝えたことに対し、同最高指導者は「われわれはそうしたことを歓迎しており、この点に関して何ら問題はない」とした(5月29日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ライーシー大統領とハイサム国王は5月29日に最終共同声明を発表、両国の民間部門の建設的な役割を強調し、経済分野などにおける協定・覚書の署名を歓迎、既存の協定の活性化について協力することの必要性を強調した(5月29日付IRNA通信外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン、オマーン、エジプト)

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