タイ総選挙で首位の前進党、300の政策掲げる

(タイ)

バンコク発

2023年05月23日

タイで下院総選挙が5月14日に実施され、野党の前進党、タイ貢献党が議席数を伸ばし与党を抑えて、上位2党となった(2023年5月17日記事参照)。首位に躍り出た前進党は、王室に対する不敬罪の見直しなどの急進的な政策が注目される一方で、その他にもさまざまな政策を提言している。

前進党のホームページによれば、同党は9分野(民主主義、福祉、地方、公務員、教育、農業、環境、公衆衛生、経済)で計300の政策外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを掲げており、その中でも重点公約として15の政策を掲げている(添付資料表参照)。重点政策の中には、最低賃金の引き上げ、児童手当、高齢者手当などの福祉政策のほか、現在は任命制の県知事を選挙制とすることや、水道水の衛生水準を高め10年以内に飲めるよう整備すること、中小企業の顧客拡大を目指した経済政策などがある。

また、経済分野での政策外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、電気自動車(EV)および同部品や急速充電ステーションなどのパワーエレクトロニクス産業を推進することを提言している。さらに、市場における独占・寡占の抑止を強化するため取引競争法を改正し、国営企業に対する同法の適用除外を撤廃することを提言している。その他、マネーロンダリング対策をしつつカジノを合法化することなども提言している。カジノ合法化により、国の税収や、関連するライセンス収入が増えると期待されている。

(ピンラウィー・シリサップ、藤田豊)

(タイ)

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