フィンランド、NATOに加盟、今後はスウェーデンの早期加盟が目標に

(フィンランド、スウェーデン)

ロンドン発

2023年04月05日

フィンランド政府は4月4日、NATOに加盟したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同国政府はロシアのウクライナ侵攻を踏まえて、2022年5月にスウェーデンとともにNATOへの加盟を申請した(2022年5月17日記事参照)。2022年7月5日に加盟国が両国の加盟議定書への署名を行ったのち、各加盟国内での議定書の承認手続きが行われていた。2022年7月5日のカナダ、アイスランド、ノルウェー、デンマークを皮切りに、2023年3月27日にハンガリー、3月30日にトルコが議会での承認を終えたことでフィンランドの加盟が決定した。ペッカ・ハービスト外相が4月4日にブリュッセルのNATO本部で加盟にかかる文書を提出、31カ国目の加盟国となった。

フィンランド政府は、NATOへの加盟はフィンランドに加え、バルト海および北欧地域の安定性と安全保障を強化するものだと評価。他方、フィンランドの防衛能力と危機へのレジリエンスが、NATOの強化に資するとした。さらに現在、ハンガリーとトルコ議会での承認が完了していないスウェーデンについても、可能な限り早期に加盟することがフィンランドにとっての目標だとした。

政府は加盟に当たり、NATOの目標である国防費のGDP比2%水準達成にコミットするとしている。また、拠出金や人員派遣などNATO加盟にかかわる追加の支出については、現在の国防予算の1~1.5%と推定している。

米国シンクタンクのアトランティック・カウンシルはフィンランドのNATO加盟について、今後フィンランド政府は、政策、地政学的な立場や資源を、NATOでの目的を推進するために最適に活用する方法を知る必要があるとした。議会選挙(2023年4月4日記事参照)を経て政権交代が行われたとしても、安全保障政策や国防政策については国内である程度合意が形成されている分野であり、NATOへの姿勢についても大きな変化はないと予想している。

(半井麻美、山田恭之)

(フィンランド、スウェーデン)

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