日マレーシアのEPA、証明書電子化で利便性高まる、7月に運用開始

(マレーシア、日本)

クアラルンプール発

2023年04月17日

日本の経済産業省は4月14日、日マレーシア経済連携協定(EPA)と日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定に基づくマレーシア向けの第一種特定原産地証明書を今後電子化すると発表した(経済産業省リリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます日本商工会議所リリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。7月18日に運用を開始する。

EPAに基づく第三者証明制度を利用し、日本から協定相手国に産品を輸出する場合、輸出企業は指定発給機関の日本商工会議所(日商)に、同産品が日本原産品であることの証明書類を提出し、原産品判定を受けた上で、原産地証明書の発給申請を行う必要がある。日本政府は既に、日タイEPAと地域的な包括的経済連携(RCEP)協定についてはPDFでの証明書発給を実現しているが、それ以外の協定では、日商から専用紙で原産地証明書が発給されている。この発給に関して、ジェトロが4月11日に発表した「2022年度輸出に関するFTAアンケート調査PDFファイル(1.5MB)」では、原産地証明書のさらなる電子化に対する要望が数多く寄せられていた。

この度、日インドネシアEPAでも、6月中に原産地証明書のデータ交換を導入する。これに加え、日マレーシアEPAとAJCEP協定に基づくマレーシア向けの原産地証明書、日インドEPAに基づくインド向けの原産地証明書でも、7月14日をもって専用紙での発給を廃止し、同18日以降の発給申請分からは全てPDFによる電子発給に切り替える。これに伴い、支払いでも現金の取り扱いは廃止する。

輸入者はマレーシア税関で輸入申告を行う際に、PDFファイルを印刷して提出する。物理的に税関に持ち込む作業は残るものの、日本からの証明書原本を郵送する時間やコストは削減される。7月14日以前に専用紙で発給された原産地証明書でも、有効期間内ならば同18日以降も引き続きマレーシア税関で受理される。この手続きの簡素化・迅速化により、各EPAの利用が拡大するとともに、日本からの産品輸出の促進につながることが期待される。

(吾郷伊都子)

(マレーシア、日本)

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