米ウーバー、EVなどへの乗車選択できる「ウーバーグリーン」サービスをチリで開始、中南米で初

(チリ、米国)

サンティアゴ発

2023年04月24日

米国配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズは413日、配車アプリのユーザーがガソリン車ではなく、電気自動車(EV)など環境に優しい車両乗車を選択できるサービス「ウーバーグリーン(Uber Green)」をチリのサンティアゴで開始した。中南米初のサービスで世界では14カ国目となる。

利用方法は、通常の配車依頼時と同じで、アプリを起動した後に行き先を入力する。その後、自動車の大きさやグレードを選ぶ際に、「Uber Green」を選択することで、大気汚染物質の排出が少ない低公害車の配車依頼を行うことができる。

写真 アプリにUber Greenが追加された様子(ジェトロ撮影)

アプリにUber Greenが追加された様子(ジェトロ撮影)

利用料金は、通常の配車サービス「UberX」利用時より10%程度割高となっている。第1段階として、首都圏州のラス・コンデス、プロビデンシア、ニュニョア、サンティアゴ、ロ・バルネチェア、ラ・レイナ、ビタクラの7区で利用を開始し、250台以上が同サービスの対象となる。

ウーバーは2040年までに、世界全体でゼロエミッションを達成するとの目標を宣言しており、チリでは起亜、充電ネットワーク開発を行うエネルX・ウェイ、投資管理や金融商品開発を行うインベルシオネス・セキュリティー、リチウムを生産するSQM(Sociedad Química y Minera de Chile)、レンタカー事業を行うスタートアップ企業トゥカル(Tucar)のパートナー企業5社との戦略的提携によって2,500万ドルを投資し、Uber Greenの立ち上げが実現している。

トゥカルは、ウーバードライバー専用の自動車レンタルプランを提供しており、ドライバーはトゥカルで自動車をレンタルすることで、自家用車を使用することなくウーバードライバーとして働くことができる。トゥカルのウェブサイトによると、EV専用のレンタルプランには自動車保険、メンテナンス費用、充電費用などが含まれており、レンタル可能なモデルには、起亜の「Niro EV」、マクサスの「Euniq 6」、MGの「ZS EV」などが用意されている。レンタルしたEVの充電については、エネルXのアプリを使って専用充電スポットの設置場所を確認し、レンタル時に配布されるエネルXのカードをかざすと、充電することができる。

(岡戸美澪)

(チリ、米国)

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