2022年第4四半期のGDP成長率、前年同期比マイナス2.7%

(ロシア)

欧州課

2023年04月14日

ロシア連邦国家統計局は4月7日、2022年の実質GDP成長率の2次速報値をマイナス2.1%と発表した。1次速報値と変わらなかった(2023年3月6日記事参照)。1次速報値で未発表だった2022年第4四半期(10~12月)のGDP成長率も発表され、前年同期比でマイナス2.7%だった(添付資料「表1 国内総生産および主な経済活動別国内総生産の伸び率の推移(前年同期比)」、「表2 国内総生産および需要項目別国内総生産の伸び率の推移(前年同期比)」参照)。

2022年第4四半期を産業別でみると、前年同期比でマイナス成長となった主な産業は、卸売り・小売り・車両修理業(17.3%減)、水道・廃棄物処理業(9.2%減)、製造業(4.8%減)、運輸・倉庫業(4.0%減)だった。他方で、公務・軍事安全保障・社会保障(7.6%増)、文化・スポーツ・娯楽業(6.6%増)、宿泊・飲食サービス業(6.5%増)、農林水産業(6.4%増)、建設業(6.1%増)、金融・保険業(5.3%増)がプラス成長となった。2022年通年の産業別の実質GDP成長率については、1次速報値と2次速報値の間でそれほど大きな差は見られなかった。

2023年のロシアのGDP成長率について、世界銀行は4月6日に発表した欧州・中央アジア経済見通しの中で、マイナス0.2%とした。1月の世界経済見通しではマイナス3.3%と予測していたが、世界的な原油や石油製品の需要の収縮が想定よりも緩やかだったことから、約3ポイント上方修正した。IMFも4月11日に発表した世界経済見通しの中で、2023年のロシアの成長率を0.7%とし、1月時点から0.4ポイント上方修正した。

(後藤大輝)

(ロシア)

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