2022年の実質GDP成長率はマイナス2.1%

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2023年03月06日

ロシア連邦国家統計局は2月20日、2022年の実質GDP成長率をマイナス2.1%(速報値)と発表した。卸売・小売業や製造業の不振によりマイナス成長となった。他方で、農林水産業や建設業は堅調に推移したことや、政府支出の増加が経済を下支えした。

産業別でみると、マイナス成長の主な産業は卸売り・小売り・車両修理業(前年比12.7%減)、水道・廃棄物処理業(6.8%減)、保健・社会サービス(3.2%減)、製造業(2.4%減)、運輸・倉庫業(1.8%減)だった。他方で、一部の産業はプラスとなり、農林水産業(6.6%増)、建設業(5.0%増)、宿泊・飲食サービス業(4.3%増)、公務・軍事安全保障・社会保障(4.1%増)だった(添付資料表1参照)。

需要面では、最終消費支出は家計が1.8%減、政府が2.8%増だった。総資本形成は3.2%減となった。総固定資本形成は5.2%増だったが、在庫の減少が影響した(添付資料表2参照)。ロシア中央銀行は2月20日、2022年下半期以降のマクロ経済動向について、輸出の減少が予想よりも低く、政府支出の増加や公共投資の拡大が民間部門の投資活動の減少を補っていると指摘した。

2023年の実質GDP成長率の予測について、中銀はマイナス1.0~プラス1.0%(2月時点)、IMFはプラス0.3%(1月時点)、世界銀行はマイナス3.3%(1月時点)と想定している。アンドレイ・ベロウソフ第1副首相は、マイナス1%未満の減少にとどまるとしている(「ベドモスチ」紙2月21日)。

(小野塚信)

(ロシア)

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