米テスラ、上海臨港新エリアに大型蓄電システム工場新設を計画

(中国、米国)

上海発

2023年04月13日

米国の電気自動車(EV)大手のテスラは4月9日、中国の上海自由貿易試験区の臨港新エリア管理委員会と調印式を開き、大型蓄電システム「メガパック」の生産拠点を新設する契約を締結した。「メガパック」の初期段階の生産目標は年間1万台、約40ギガワット時(GWh)の電力を蓄電できるとした。中国をはじめ世界中に販売する予定だ。新工場は2023年第3四半期(7~9月)に着工し、2024年第2四半期(4~6月)に操業を開始する計画としている。

テスラは2019年1月から臨港新エリアにEV組み立て工場「ギガファクトリー」の建設を開始し(2019年1月16日記事参照)、同年に稼働させた。以降、ギガファクトリーの生産能力増強のほか、スパーチャージャー(充電スタンド)製造工場の投資なども行った。

テスラ上海工場の2022年のEV出荷台数は71万台を上回った。中国国内で販売されたほか、アジアや欧州などにも輸出されている。テスラの陶琳・副総裁は、臨港新エリアをはじめとする上海市のビジネス環境に恵まれ、上海工場の現地調達率が95%を超えたと明らかにした(「新華網」4月10日)。

臨港新エリア管理委員会は、テスラのギガファクトリーの誘致により、新エネルギー車産業の年間生産額が1,000億元(約1兆9,400億円、1元=約19.4円)を突破し、臨港新エリア初の1,000億元超の産業クラスターに成長したと評価している。今回のメガパック生産拠点新設により、蓄電池産業が次の1,000億元級産業クラスターに成長することを期待していると示した。

(劉元森)

(中国、米国)

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