インド乗用車最大手マルチ・スズキ、輸出累計250万台突破

(インド)

アーメダバード発

2023年04月10日

インド自動車最大手マルチ・スズキは、同国からの累積輸出台数が1986/1987年度(1986年4月~1987年3月)から2022/2023年度までで250万台を突破したと発表した。同社はインド政府が掲げる「メーク・イン・インディア」(2018年3月30日付地域・分析レポート参照)に呼応し、近年、輸出強化に取り組んでおり、2021年、2022年と2年連続(1~12月期)でインド最大の乗用車輸出メーカーとなっている。記念すべき250万台目の車種は「バレノ」で、グジャラート州西部の主要港のムンドラ港から南米向けに出荷された(同社プレスリリース3月29日付)。

同社によると、インドからの乗用車輸出は1986/1987年度にバングラデュやネパールといった近隣諸国向けに徐々に開始され、初めての大規模な輸出は1987年9月に500台を輸出したハンガリー向けだった。先進国市場への輸出は、同社によって国際標準に合わせた品質改善やインド市場でのサービス向上の取り組みにつながったという。同社はスズキ本社の強力な支援を受け、現在の輸出先はアフリカ、南米、アジア、中東などの約100カ国に拡大しており、同社製品は高品質と優れた技術、信頼性の高さ、高性能、手頃な価格により、世界中の顧客に受け入れられ、高く評価されているとした。

同社の竹内寿志社長は「この偉業が達成できたのは、インド政府のメーク・イン・インディアに対するマルチ・スズキの確固としたコミットメントと、インド政府の自動車輸出強化の取り組みによるもので、親会社スズキ本社の強力なサポートによって実現したもの」としており、「スズキ本社は、強力な技術的サポートのみならず、強力なグローバルネットワークの活用を通じても支援してくれた」と述べている。

インド自動車製造業組合(Society of Indian Automobile Manufacturers:SIAM)の統計に基づいてジェトロが集計した数字によると、「2021年4月~2022年12月期」のインドからの乗用車輸出台数は34万7,291台(前年同期比15%増)を記録、このうち、マルチ・スズキ社は17万613台(前年同期比18%増)で、インド乗用車輸出の約49%に当たる。

(古川毅彦)

(インド)

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