3月の消費者物価上昇率、前年同月比2.83%、15カ月ぶりの低い上昇率
(タイ)
バンコク発
2023年04月13日
タイ商務省が4月5日に発表した3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で2.83%となり、前月(同3.79%)から伸びが鈍化した。15カ月ぶりの低い上昇率で、中央銀行の目標範囲(1%~3%)内まで低下した。
主な要因はエネルギーと食品の価格鈍化で、ベースとなる前年同月の物価が高かったことも影響した。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数も1.75%と、前月(1.93%)から伸びが鈍化した。
品目別の上昇率では、食品・非アルコール飲料5.22%(2月5.74%)、コメ・小麦・穀物製品4.93%(同3.93%)、総菜4.13%(同4.70%)、車両燃料マイナス2.48%(同5.03%)など。
商務省は2023年第2四半期(4~6月)のCPI上昇率も鈍化すると予測。理由として、燃料価格の下落、ベースとなる前年の物価高、政府による生活費抑制策などを挙げた。また、輸出の鈍化や政策金利の上昇が購買力を低下させる可能性もあるとした。また、現状を踏まえ、2023年通年のCPI上昇率を1.7%~2.7%(中央値2.2%)に下方修正した〔前回予測は2.0%~3.0%(中央値2.5%)〕。
(藤田豊)
(タイ)
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