カナダ中銀、政策金利を4.5%で据え置き、2会合連続

(カナダ)

トロント発

2023年04月13日

カナダ中央銀行は4月12日、前回3月に続いて、政策金利を4.5%で据え置くと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。中銀は2022年3月から2023年1月にかけての8回の運営評議会で連続して利上げを行い、政策金利を計4.25ポイント引き上げていたが、3月の会合では政策金利を4.5%で据え置きとし、いったん利上げに終止符を打っていた(2023年3月9日記事参照)。

今後の政策金利について、中銀は「金融政策が物価上昇圧力を緩和するために十分に制約的かどうかを引き続き評価するとともに、消費者物価指数(CPI)上昇率を2%の目標に戻すために、必要ならばさらに引き上げる用意がある」と表明した。

CPI上昇率については、2月に5.2%に鈍化したことを踏まえ(2023年3月22日記事参照)、2023年半ばに3%程度まで下落後、2024年末には目標の2%に達すると予想した。ただし、インフレ期待の低下が緩やかなことや、サービス価格や賃金の上昇率が依然として高いことなどから、2%への回復はさらに困難となる可能性があるとも述べた。

カナダ経済について、労働市場は「需要が供給を上回って逼迫が続いている」とした。また、外需低下が輸出などの低下につながり、2023年後半には「経済が供給過剰に陥る」として、成長率を2023年は1.4%、2024年は1.3%、2025年は2.5%と予想した。前回1月の時点では、2023年は1.0%、2024年は1.8%と予想していた。

発表を受け、モントリオール銀行(BMO)のチーフエコノミスト兼マネジングディレクターのダグラス・ポーター氏は「中銀は2023年後半には経済が供給過剰になると予想しており、CPI上昇率の鈍化が続けば、2023年後半の(金融)緩和の可能性がわずかながら生じる。とはいえ、まだ多くの課題が山積している。実際、(中銀のティフ・マックレム)総裁は記者会見で、2023年後半の利下げという市場予測は最も可能性の高いシナリオではないと明言した。当行では、中銀は2024年に本格的な利下げを開始する前に、2023年末まで(金利)据え置きを継続すると引き続き予想する」とコメントした(BMOエコノファクツ4月12日)。

次回の政策金利発表は6月7日に予定されている。

(飯田洋子)

(カナダ)

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