韓国銀行、基準金利を3.50%で据え置き

(韓国)

ソウル発

2023年04月12日

韓国銀行(中央銀行)は4月11日、金融通貨委員会を開催し、基準金利を現行水準(3.50%)に据え置くと発表した(2023年2月27日記事参照)。同行では今後、物価上昇の鈍化傾向が続くと見込まれるものの、目標水準を上回る期間がかなり続くと予想した。さらに、主要国の金融部門のリスク、物価動向、金融安定の状況、その他の不確実性の要因をモニタリングしながら、追加引き上げの必要性を判断していくとした。

国内経済については、消費が2022年第4四半期(10~12月)は不振だったが、2023年第1四半期(1~3月)はやや回復しているとした。しかし、IT関連の景気低迷を受けて輸出が不振なため、2023年の経済成長率は2月の展望値(1.6%)を小幅に下回る見通しとした。さらに、この見通し自体にも不確実性があるとした。

「聯合ニュース」(4月11日)は「現在の金利水準が既に中立金利水準を上回る中で、インフレ圧力が緩和し、景気が鈍化または停滞の様相を見せているため、利上げ基調は終了したと判断される」とのエコノミストの分析を掲載する一方で、「米国の政策金利との格差拡大により、追加利上げが行われる可能性は完全には排除できない」との見方も掲載している。

(当間正明)

(韓国)

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