2022年の実質GDPは7.6%成長

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2023年04月10日

アラブ首長国連邦(UAE)中央銀行が3月27日に公表した2022年第4四半期(10~12月)の「四半期経済レビューPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」によると、2022年のGDP成長率(推計)は7.6%だった(添付資料表参照)。石油部門と非石油部門がともに好調だったことによる。併せて、2023年と2024年の成長予測をそれぞれ3.9%、4.3%と発表した。

2022年は特に石油部門が10.1%と成長を牽引した。2022年第4四半期の平均原油生産量は日量310万バレルで、これはOPECプラス(注)の9月までの度重なる増産決定により、年間を通して増産傾向となったことが影響している。他方で、11月からは大幅減産で合意(2022年10月6日記事参照)したことから、2023年の石油部門は3.0%増にとどまると予測している。また、4月2日には重ねて追加減産を発表した(2023年4月3日記事参照)ことから、さらに成長幅が縮小する可能性がある。

非石油部門を見ると、2022年は6.6%で好調だった。中銀は成長を牽引した分野として、不動産や建設、製油・アルミを中心とした製造業を挙げている。また、11月にカタールで開催された国際サッカー連盟(FIFA)のサッカーワールドカップなどの世界的イベントにより、観光業も成長を押し上げたとしている。2023年も4.2%と堅調な伸びを予測している。

(注)サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などOPEC加盟国と、ロシア、メキシコなど非加盟の産油国で構成される。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

ビジネス短信 7be561c34dfd7905