アブダビ皇太子にUAE大統領兼首長の実息子のハーリド王子を任命
(アラブ首長国連邦)
ドバイ発
2023年04月07日
アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領兼アブダビ首長は3月29日、自身の長男であるハーリド・ビン・ムハンマド・ビン・ザーイド王子をアブダビの皇太子として任命したと発表した。
併せて、共に弟のタフヌーン・ビン・ザーイド王子とハッザーア・ビン・ザーイド王子をアブダビの副首長として任命し、同じく弟のマンスール・ビン・ザーイド王子を副大統領に任命した。地元各紙や海外メディアが報じている。
2022年5月にハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン前大統領・アブダビ首長が死去した後、ムハンマド・アブダビ皇太子(当時)が継承していた(2022年5月16日記事参照)。一方、新皇太子のポジションは、約1年にわたって空位となっていた。
ハーリド新皇太子は41歳で、アブダビ執行委員会の議長を務めている。日本との関係では、2022年9月に行われた安倍晋三元首相の葬儀に、UAE代表として来日していた。
昨今、湾岸諸国の王室・首長家では、サウジアラビアやドバイを筆頭に皇太子のポジションを、弟ではなく息子に渡す「次世代への継承」の傾向がみられている。アブダビもその傾向に倣ったかたちだ。
副大統領職はドバイのムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム首長が長年にわたり務めており、マンスール王子の任命により、今後は2人体制となる。これにより、連邦国家全体としての権力がよりアブダビに集まるとみられている。CNN(3月30日)は、マンスール王子はドバイのムハンマド首長の義理の息子という関係でもあり、摩擦が起きないよう「包含的な方法」で権力集中を進めている、との専門家のコメントを紹介している。
(山村千晴)
(アラブ首長国連邦)
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