英BP、米メキシコ湾の浮体式石油生産施設「アルゴス」で生産開始
(米国、英国、オーストラリア)
ヒューストン発
2023年04月17日
英国の石油ガス大手BP(本社:ロンドン)は4月13日、同社が運営する米国ルイジアナ州沖メキシコ湾の浮体式石油生産施設「アルゴス」で石油の生産を開始したと発表した。アルゴスは、同社にとって5番目のメキシコ湾での石油生産で、同地域では2008年以降初めての新しい施設になる。
発表によると、アルゴスは、ルイジアナ州ニューオリンズの南沖合約190マイル(約306キロ)のメキシコ湾に位置し、水深4,500フィート(約1,372メートル)、総重量6万トン以上、石油生産量は日量最大14万バレルとされている。半潜水型プラットフォームにより、過酷な環境でも高い安定性の確保が可能となり、同社のメキシコ湾での総生産能力は推定20%増加するとしている。同社は2023年を通じてアルゴスの生産を安全かつ計画的に増強していく予定だ。
アルゴスでの海洋石油開発では、BPが60.5%を出資してオペレーターを務め、オーストラリアのエネルギー大手ウッドサイド・エナジー(本社:パース)が23.9%、米国石油大手シェブロンの子会社シェブロンU.S.A.(本社:カリフォルニア州サンラモン)の関連会社ユニオン・オイル・カンパニーが15.6%を出資している。
BPのバーナード・ルーニー最高経営責任者(CEO)は「アルゴスの生産開始は、現在のエネルギーシステムへの投資と同時に、エネルギー転換へ投資するという当社の総合エネルギー戦略の実現に貢献する素晴らしい成果だ。アルゴスは、当社の最新技術を適用した世界で最もデジタルな施設として、今後何年にもわたってメキシコ湾における当社の重要な地位を強化することになる」と述べた。
メキシコ湾での石油・ガス開発の最近の事例として、2023年2月に英国石油大手シェルの米国子会社シェル・オフショアがルイジアナ州沖メキシコ湾の浮体式石油・ガス生産施設「ビト」で生産を開始したと発表した(2023年2月21日記事参照)。
(沖本憲司)
(米国、英国、オーストラリア)
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