三井海洋開発の子会社SOFEC、ノルウェーの船級協会からアンモニア移送システム設計基本承認を取得

(米国、日本、ノルウェー)

ヒューストン発

2023年04月25日

三井海洋開発の米国子会社SOFEC(本社:テキサス州ヒューストン)は4月20日、ノルウェーの船級協会DNV(本部:オスロ)から、SOFECの「カルム・ブイ(注1)」と「タワー・ムアリング(注2)」を使用したアンモニア移送システムの設計基本承認を取得したと発表した。本承認により、液体アンモニアを陸上ターミナルから遠く離れた沖合のタンカーに、またはその逆に移送するという課題の解決につながるとしている。

発表によると、SOFECは、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)向けをはじめとする各種係留設備の設計、製造、設置、デリバリー、サービスの実績があり、2006年に三井海洋開発の子会社となった。これまで合計100基以上の係留設備を世界に納入している。SOFECの「カルム・ブイ」と「タワー・ムアリング」は、いずれも同社が実証済みの製品で、これらの係留技術をさらに拡充し、エネルギー・トランジションに貢献していくという。

アンモニアや合成燃料(e-fuel)などの冷却液体は、効率的で持続可能な低排出燃料の1つとなる可能性があり、重要性が高まっている。SOFECは、「安全で持続可能な洋上ソリューション」というオフショア業界の基本原則に沿って事業目標を定めており、業界としてブルーアンモニアおよびグリーンアンモニアの生産と貯蔵を目指し取り組んでいる中、同社によるアンモニア移送システムの開発は、環境にやさしく安全で持続可能なエネルギー産業の継続的な発展に大きく寄与するとされている。

(注1)懸垂曲線をなす複数のアンカーラインにより海底に固定された一点係留ブイ。ブイには送油ラインが接続されており、このブイにタンカーを係留することでタンカー係船と送油を行うことが可能。

(注2)水深が浅い海域での使用に合わせた海底固定型の係留設備。

(沖本憲司)

(米国、日本、ノルウェー)

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