日本産酒類、デュッセルドルフの世界最大ワイン見本市「プロワイン」でPR

(ドイツ、日本)

デュッセルドルフ発

2023年04月14日

ドイツ・デュッセルドルフで31921日、世界最大級の国際ワイン・アルコール飲料の専門見本市「プロワイン(ProWein)2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された。見本市には、日本を含む世界61カ国から約6,000社が出展、141カ国から約49,000人が来場した。来場者の3分の2が購入意思決定権を持っており、商談の確度は高い。

日本の財務省貿易統計によると、2022年の日本酒の輸出総額は4749,200万円に達し、13年連続で前年を上回った。数量ベースでも35,895キロリットルと過去最高となった。

一方で、世界全体で100兆円超の規模とされる酒類市場で、日本産酒類の輸出額は0.1%に満たない規模にとどまっており、海外市場開拓は、日本産酒類製造業のさらなる発展に欠かせない取り組みだ。日本酒造組合中央会の宇都宮仁理事は「マーケットインの発想への転換、販売・PRのデジタル化対応などにより、世界の酒類市場の中で日本酒、本格焼酎・泡盛ブランドの確立、継続的な輸出のための商流を確立し、市場・販路拡大につなげたい」と語る。

同中央会は今回、國酒プロモーションブースを設置、日本各地から出展した20社が日本酒・本格焼酎などを来場者にPRした。会期中、河原節子駐デュッセルドルフ総領事がブースを視察、酒蔵と意見交換した。

写真 日本酒造組合中央会の國酒プロモーションブース(ジェトロ撮影)

日本酒造組合中央会の國酒プロモーションブース(ジェトロ撮影)

写真 中央会ブースを視察する河原総領事(在デュッセルドルフ日本総領事館提供)

中央会ブースを視察する河原総領事(在デュッセルドルフ日本総領事館提供)

田中酒造店(宮城県)は、カナダ出身の世界的ソムリエのフランソワ・シャルティエ氏と共同開発した世界初のブレンド日本酒「TANAKA 1789」を展示、永井邦彦社長は「ワイン愛好家にも楽しんでいただきたい」と話した。田治米合名会社(兵庫県)はクリップクリエイティブ(兵庫県)と連携した「KEG DRAFT SAKE」(ジェトロ所管、農林水産省連携実証事業を活用)で無ろ過生酒をPRした。人気酒造(福島県)の遊佐勇人代表取締役は「海外のエントリー層にはまず、スパークリングやゆずリキュールなどで日本酒を身近に感じてもらいたい」と語った。

中央会は会期中、日本酒、本格焼酎・泡盛マスタークラスをそれぞれ開催。20日の日本酒マスタークラスでは、Kura Master(注)日本酒審査員も務めたことのある世界的ソムリエのジュリア・スカボ氏を講師に迎え、日本酒5銘柄とチーズのペアリングを実施。参加者は30人を超え、盛況だった。

写真 日本酒マスタークラスで日本酒の特徴を説明するスカボ氏(ジェトロ撮影)

日本酒マスタークラスで日本酒の特徴を説明するスカボ氏(ジェトロ撮影)

次回のプロワインは2024年3月10~12日にデュッセルドルフで開催予定。また、2024年4月10~12日には「プロワイン東京」が初開催される予定。

(注)フランスで2017年から開催されている日本酒コンクール。

(田中俊)

(ドイツ、日本)

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