3月CPIは前年同月比5.66%上昇、2カ月連続で減速

(インド)

ムンバイ発

2023年04月21日

インド統計・計画実行省(MOSPI)が4月12日に発表した2023年3月の全国ベースの消費者物価指数(CPI、注)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は177.2ポイント(速報値)で、前年同月の167.7ポイント(確報値)と比較し、5.66%上昇した(添付資料表参照)。上昇率は、インド準備銀行(RBI、中央銀行)がインフレ目標の上限に定める6%を下回り、1月の6.52%から、2月の6.44%に続き2カ月連続で減速した。同行は、4月7日に開催した金融政策決定会合(MPC)において、政策金利(レポレート)を7会合ぶりに6.5%に据え置きを決定していた(2023年4月19日記事参照)。

なお、インフレ圧力の高止まりが懸念され、2023年度第1四半期(4~6月)のCPI上昇率は5.1%(前回会合比0.1ポイント増)と予測されており、引き続き今後の動向が注視される。

品目別の上昇率では、CPIの比重の約5割を占める食品・飲料が5.11%増だった。その内訳は、2桁の伸びを示した香辛料(18.21%増)および穀物・同製品(15.27%増)などを中心に、牛乳・乳製品が9.31%増と高く、果物も前年同月比6.38%増から7.55%増に拡大した。

食品・飲料以外の品目では、燃料・電力が前年同月比8.91%で最も高く、衣服・履物(8.18%)、パーソナルケア(8.25%)と続いた。

他方、上昇率が減少に転じた品目は、野菜(8.51%減)、油・油脂(7.86%減)、肉・魚(1.42%減)と、都市部と農村部ともに前年同月比を下回った。

なお、地域別CPIをみると、農村部は前年同月比5.51%(1月から1.21ポイント減)、都市部は5.89%(同0.21ポイント減)だった。

(注)全国ベースのCPIは、基準年2012年=100とし、農村部と都市部の各CPIを加重平均したもの。

(松永宗徳)

(インド)

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