ルーラ政権100日が経過、低所得者向け現金給付実施と財政緊縮策を成果と強調
(ブラジル)
サンパウロ発
2023年04月13日
ブラジル政府は4月10日、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ政権発足後100日間の節目に、現政権の成果と今後の方針を説明した。
それによると、飢餓貧困対策では、低所得者層向けの現金給付(ボルサ・ファミリア)を約2,110万世帯に支給し、国家の食料安全保障と栄養政策のガバナンスを強化している。
環境政策では、ルーラ政権はアマゾン基金を復活(2023年1月12日記事参照)させた。外交ではアルゼンチンとウルグアイの大統領との会談でメルコスール強化に着手し、米国のジョー・バイデン大統領とも会談した。また、中国に公式訪問(4月13~14日)する。
財政面での成果として、ルーラ大統領が「新たな財政緊縮策」(2023年4月12日記事参照)を発表したこととしている。「新たな財政緊縮策」の発表は4月10日付現地紙「CNNブラジル」も評価ポイントとして報じているが、同財政緊縮策の憲法補足案を国会で可決するためには、ルーラ政権の政権基盤が強固かを注視する必要があると報じている。3月6日付現地紙「エスタード」によれば、アルトゥル・リラ下院議長は憲法補足法の承認は下院議会の場合に議員定数の過半数(257議席)であることは認識しつつも、憲法改正法案の可決に必要な下院議席の5分の3(308議席)の支持基盤を得る段階で投票に移すことが望ましいとの考えを示している。
同じく新体制発足100日を迎えたサンパウロ州政府は4月10日、治安対策を目的に軍警察に5,400人を配置することとし、同州投資パートナープログラム(PPI-SP)の一環として、州上下水道公社(SABESP、注)の民営化に向けた可能性調査を進める政令に署名したと発表した。
(注)SABESPは、サンパウロ州の人口の約6割に当たる2,800万人、自治体(市)の数では全体の58%へのサービスを提供している。
(古木勇生)
(ブラジル)
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