第20回上海モーターショー開幕、各社が新エネ車をアピール

(中国)

上海発

2023年04月24日

第20回上海国際汽車工業展覧会(上海モーターショー)が4月18~27日の日程で上海市国家会展中心において開幕した。出展企業数は約1,000社、展示面積36万平方メートル超で、13の屋内展示ホールが使用されている。上海モーターショーは、同じく中国最大規模の自動車展覧会である北京国際汽車工業博覧会と交互に開催されるが、2022年の北京モーターショーは新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止されたため、前回2021年4月開催の上海モーターショー(2021年4月30日記事参照)以来の開催となる。

今回のモーターショーでは、中国における自動車販売台数の4分の1を占める新エネルギー車を積極的にアピールする企業が多く、人気のスポーツ用多目的車(SUV)だけではなく、高価格帯のスポーツカーや低価格帯の小型電気自動車(EV)など、幅広い層をターゲットとした発表がみられた。ホンダは、展示車両をすべて新エネルギー車とし、EVの新型モデルを世界初公開した。同社は中国において2027年までに10車種のホンダブランドEVの投入を予定しており、中国市場における「2035年までにEV販売比率100%」の達成を目指すとしている。

上海汽車集団は、新エネルギー車事業展開に向けた3年間の行動計画を発表した。2025年までに、新エネルギー車の年間販売台数目標を2022年に比べ2.5倍となる350万台に引き上げるとし、今後3年間で傘下のグループ各社を含め計13モデル以上の新エネルギー車を発表予定だと示した。

なお、2021年の上海モーターショーにおいて、ブレーキの不具合を訴える抗議行動が行われたテスラは、今回の出展を見送った。同社は出展しない理由は明らかにしていない。

中国自動車工業協会(CAAM)が発表した2023年1~3月の累計自動車販売台数は前年同期比6.7%減の607万6,000台となったが(2023年4月17日記事参照)、乗用車市場信息聯席会(CPCA)による4月10日の報告では、3月は消費が振るわなかったが、上海モーターショーの開催が中国の自動車販売を後押しする、強力なプラットフォームと起爆剤になるとの展望と期待が示されている。

写真 ホンダのブース風景(ジェトロ撮影)

ホンダのブース風景(ジェトロ撮影)

写真 比亜迪(BYD)仰望ブランドのブース風景(ジェトロ撮影)

比亜迪(BYD)仰望ブランドのブース風景(ジェトロ撮影)

写真 長安汽車のブース風景(ジェトロ撮影)

長安汽車のブース風景(ジェトロ撮影)

(神野可奈子)

(中国)

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