3月のCPI上昇率、2022年7月以来の低水準

(サウジアラビア)

リヤド発

2023年04月18日

サウジアラビア総合統計庁(GASTAT)は4月13日、3月の消費者物価指数(CPI)を発表した。同月のCPI上昇率は前年同期比2.7%で、2022年7月以来8カ月ぶりの低水準となった(2022年10月25日記事参照)。

CPI上昇率は2022年を通じて増加傾向が続いたが(2022年12月28日記事参照)、2023年1月(3.4%)をピークに、2月(3.0%)から減少に転じている。ただし、2022年1~3月のCPI上昇率が前年同月比1.2~2.0%で推移していたことに比べると、依然としてやや高い水準といえる(添付資料表参照)。

2023年第1四半期(1~3月)のCPI上昇率を項目・品目別に見ると、食品・飲料は前年同月比で4.2%(1月)から2.3%(3月)に低下、前月比では1月は0.46%、2月は0.6%減、3月は0.4%減だった。住宅・光熱関連は前年同月比で6.6%(1月)から7.4%(3月)に上昇。中でも賃貸住宅が7.7%(1月)から8.7%(3月)に伸長した。総合統計庁は、賃貸住宅の供給不足によるアパートの賃料上昇が影響したとしている。

サウジアラビアの主要日刊紙「サウジ・ガゼット」(4月13日)は、堅調な経済成長、新型コロナウイルス禍でのサプライチェーン危機に対して政府が早急に対策を講じたことや、政府がエネルギー価格の上限を設定したことなどがインフレ率の安定に貢献したとしている。

(林憲忠)

(サウジアラビア)

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