ビザ発給待ちの申請者に対する滞在延長許可措置を発表

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2023年04月05日

南アフリカ共和国の内務省(DHA)は3月29日、長期ビザ申請中(注1)にビザ有効期限が切れる外国人申請者(注2)に対して、滞在許可を延長する暫定措置を発表した。これにより、2023年3月31日以前にビザの申請をしている外国人は、ビザの発給が完了していない場合でも、2023年12月31日まで南ア滞在が可能になった。DHAの発表によると、省内で手続き中のビザ申請件数は6万2,692件にのぼる。今回の措置は、短期就労ビザ所持滞在者(最大90日間の滞在が可能)には適用されない。

ビザ発給に関する遅延問題は、2022年1月にDHAが突如、申請ルートの見直しを行ったことに端を発する。元来、各国の在外公館がビザ発給権限を持っていたが、その後、すべてのビザ申請について、DHAの決裁が下りるまで発給されない状況になった。さらに、申請内容の厳格化もあり、長期ビザ発給までに数カ月から1年近くかかる状況が続いていた。2022年9月からは、在日南ア大使館に発給権限が戻っているものの(2022年9月14日記事参照)、DHAでの決裁が必要な申請書類が残っていたほか、バックログの解消に時間がかかるなどの理由から、多くの日系企業駐在予定者の足止め状態が続いた。

そこで、1年かけて、在南ア日本大使館、南ア日本商工会議所、ジェトロがDHAに独自に陳情・交渉を行った結果(2022年6月14日記事参照)、同省での決裁書類が不要となった。現在は、1カ月以内での発給が可能となっているものの、運用の変更により、期限が切れてしまった既提出申請書類の出し直しなどが求められる場合があるため、在日大使館に事前に手続きの確認をお勧めする。

(注1)長期ビザには、一般労働ビザ、ICT(企業内派遣)ビザ、スタディービザ、帯同家族ビザなどが含まれる。

(注2)VISA Facilitation Services(VFS事務所)を通じて申請した申請者にのみ適用。在外公館での申請は含まない。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国)

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