モロッコ中銀がインフレ対策で政策金利を3.0%に引き上げ
(モロッコ)
ラバト発
2023年04月10日
モロッコ国立アル・マグリブ銀行(BAM、中央銀行)は3月21日、2023年では初となる総会を開き、政策金利を0.5ポイント引き上げ、3.0%にすると発表した。2014年9月以来の高い金利レベルで、インフレ抑制と物価安定の効果を期待したものだ。
2022年は1992年以来の高水準の6.6%のインフレ率となった。また、BAMは、2023年のインフレ率を5.5%と、引き続き高水準で見込んでいる。高等計画委員会(統計局)によると、2023年2月の消費者物価指数の上昇率は、前年同月比10.8%、特に野菜やフルーツ、肉類といった食料・飲料(アルコール飲料を除く)は20.8%だった。
モロッコでは3月23日から断食月(ラマダン)期間に入った。例年、期間に入る前には消費が増えることから、食品などの物価が上昇するが、今回は特にその上昇率が高く、国会の野党議員や業界団体、メディアなどからも物価上昇に批判の声が上がっていた。ナディア・フェッタハ・アラウィ経済・財政相は3月21日の国会で、食品類の価格上昇は天候不順も原因の1つとし、供給が今後増加していくことにより、物価は安定または下方展開に向かう考えを示した。
(本田雅英)
(モロッコ)
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