武漢とロシア・ニジネカムスクを結ぶ中欧班列が開通

(中国)

武漢発

2023年04月17日

中国の湖北省武漢市とロシアのニジネカムスク(注1)を結ぶ中欧班列(注2)が4月7日に運行を開始した。武漢市を出発した初便には、55TEU(20フィートコンテナ換算値)のコンテナに220台の完成車が積載された。同路線は、中国・内モンゴル自治区エレンホト市(2023年4月10日記事参照)を経由し、両都市間を約14日で結ぶ。これは、武漢市からモスクワ駅への輸送時間と比較して2~3日早い。

同路線の開通について、中国の現地メディアは「武漢市からロシアへの貿易ルートがさらに充実し、湖北省企業がロシアおよび欧州市場でビジネスを展開する際、より効果的で迅速な物流のサポートにつながる」としている(「長江日報」2023年4月7日)。また、中欧班列を利用している物流会社の責任者は「現在、モスクワ駅が混雑しているため、オペレーション効率の向上や、コストの低減が期待される」と述べている(同上)。

中欧班列の利用が拡大、2022年は運行本数が過去最高に

近年、武漢市を発着する中欧班列は増加傾向にある。2022年の運行本数は前年比34%増の538本(往路267本、復路271本)となり、過去最高を記録した(「中国新聞網」2022年12月30日)。同市発着の中欧班列による輸出額は12.6%増の79億3,400万元(約1,507億4,600万円、1元=約19円)、輸入額は5.9%増の60億8,600万元となった。

また、同路線の開通により、武漢市を発着する中欧班列の路線数は45路線となり、ユーラシア大陸にある40カ国110都市への鉄道輸送が可能となった。ロシア向けの路線としては、既にモスクワ、サンクトペテルブルク、エカテリンブルグ、ボロトィンスクなどの都市との間で直行便が運行されている。

(注1)モスクワから西へ約1,000キロの場所に位置するロシア・タタールスタン共和国の都市。

(注2)中国と欧州やロシアなどの「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車。

(楢橋広基)

(中国)

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