内モンゴル自治区エレンホト、通過した中欧班列の輸送量が累計1,000万トンに

(中国、モンゴル)

中国北アジア課

2023年04月10日

中国・内モンゴル自治区のエレンホト(二連浩特)市政府は323日、エレンホト市の口岸(注1)を通行した中欧班列(注2)の貨物輸送量が2013年の運行開始から3月までに累計で1,000万トンを超過したと発表した。また、202313月の同口岸を通過した鉄道の貨物輸送量は前年同期比64.9%増の4215,300万トンで、中欧班列の運行本数は1.6%増の746本となった(「内モンゴル日報」44日)。同市はモンゴルとの国境に位置する中国側の都市で、内モンゴル自治区の満州里市、新疆ウイグル自治区のアラシャンコウ(阿拉山口)市やホルゴス(霍爾果斯)市などとともに、中欧班列の国際物流拠点の1つ。

同口岸を経由する中欧班列は、河南省鄭州市や四川省成都市、福建省アモイ市、広東省東莞市、上海市などを起点とする66路線が開通しており、ドイツやオランダ、ポーランド、ロシアなど10カ国を結ぶ。同路線では主に板材やパルプ、原木、衣類、靴・帽子、電気機械製品、自動車・同部品など約1,000種類の輸出入貨物を輸送している。

エレンホト税関では、中欧班列の通関円滑化に向けて、同口岸の「クラウド管理」を推進し、通関業務のプロセスを最適化することで、通関と越境輸送の全プロセスのペーパーレス管理を実現した。また、同口岸では中欧班列専用の「グリーンレーン(緑色通道)」(注3)を開設し、貨物の引き受け・輸送能力を約20%向上させ、同路線のスムーズな運行を確保している。

写真 モンゴルとの国境に位置する中国側のエレンホト駅(ジェトロ撮影)

モンゴルとの国境に位置する中国側のエレンホト駅(ジェトロ撮影)

写真 エレンホト駅の貨物ターミナル(ジェトロ撮影)

エレンホト駅の貨物ターミナル(ジェトロ撮影)

(注1)税関が2国間の国境などに設置した検問所。

(注2)中国と欧州や中央アジアなどの「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車。

(注3)迅速に通関を行う優先レーン

(片小田廣大)

(中国、モンゴル)

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