各省・市グリーン指数を初公表、チャビン省がトップ

(ベトナム)

ホーチミン発

2023年04月28日

ベトナム商工会議所(VCCI)と米国国際開発庁(USAID)は4月11日、2022年のベトナム各省・市グリーン指数(PGI:Provincial Green Index)を発表した。PGIは、ベトナム各省・市競争力指数(PCI:Provincial Competitiveness Index、2023年4月24日記事参照)を補完するために作成されたレポートで、今回が初めての公表となる。

PGIは「気候変動による企業へのリスクの最小化」「企業による最低限の環境基準の維持」「省・市による環境政策上のリーダーシップ」「省・市による(企業への)環境上のインセンティブとサポート体制」の4項目について、ビジネスの観点からそれぞれ10点満点(計40点満点)で省・市別の環境保護政策の有効性を評価するものだ。

USAIDのアラー・グラブ氏は同レポートの発表に際し、「新たに導入したPGIは、環境(グリーン)への配慮もビジネス上の成功や長期的な経済成長にとって重要だという民間セクターの意識の高まりを表している」と述べた。

2022年のPGIランキングでは、南部チャビン省が1位で、2位は北部ランソン省、3位は北部バクニン省だった(添付資料表参照)。チャビン省幹部によると、同省では経済特区や工業団地での環境に関する定期検査や天然資源の管理など、環境保護に焦点を当てた多くの施策を実施している(「VOV電子ニュース」4月15日)。

他方、PGIランキング1位のチャビン省の評点は17.67点で、40点満点の5割に達しておらず、上位と下位で統計的に大きな違いがない結果ともなった。理由として、国の環境政策の基盤となる「グリーン成長戦略」の運用が依然として遅れており、各省・市の社会経済発展計画にグリーン成長戦略を十分に盛り込めていないことが挙げられている。また、グリーン経営に対する優遇政策へのアクセスに問題があり、実際にインセンティブを受けた企業はわずかだと指摘されている。

(児玉良平)

(ベトナム)

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