2022年経済動向、直近のインフレ見通し発表
(モザンビーク)
マプト発
2023年04月18日
モザンビーク中央銀行は3月31日、2022年第4四半期(10~12月)までの経済動向と、2023年2月までのインフレ動向、展望をまとめた「経済状況・インフレ見通し」を発表した。
2022年第4四半期の実質GDP成長率は前期比4.2%、通年では前年比4.1%だった。石炭など国外からの需要が高まっていることに加え、新型コロナウイルス流行が下火になり、関連する制限措置が緩和されたことで、貿易や運輸、ホテル、レストラン産業などの経済活動が回復したことが成長を後押しした。
輸出(財のみ)は前年比47.2%増の82億1,800万ドルだった(添付資料表参照)。輸出の主力産業の石炭、アルミニウムの国際価格の上昇に加え、世界的な需要回復を受けて、輸出数量も伸びたことが輸出の成長につながった。
輸入(財のみ)は、前年比4.6倍となった機械類の輸入額増加(54億4,900万ドル)が寄与し、前年比70.2%増の133億3,700万ドルだった。機械類の輸入額には、2022年にモザンビーク北部カーボデルガード州沖合に設置された約38億ドルの浮体式液化天然ガス(LNG)生産ユニット(FLNG)が含まれている。同FLNGは天然ガスの生産を開始し、輸出を開始している(2022年11月18日記事参照)。今後の経済動向に関し、具体的な予測値は出していないが、GDP成長率は低調な推移を見せるとしている。新型コロナ感染症流行からの回復が継続する一方で、天然ガス関連産業を除き、2023年に発生した水害(2023年3月23日記事参照)による農業やインフラへの被害が成長を抑制するという見方だ。
2023年1月のインフレ率は前年同月比10.3%、2月は9.8%で、水害の影響による食糧価格の上昇、高等教育の学費と首都マプト市内の交通機関の値上げを反映しているとする。ただし、食糧価格の上昇は短期的に継続するという見方だ。中期的なインフレは金融政策と為替レートの安定化に加え、国際市場の物価の下落傾向などを受けて、1桁台になると見込んでいる。
(松永篤)
(モザンビーク)
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