モザンビークの中部と南部で大規模な水害被害が発生

(モザンビーク)

マプト発

2023年03月23日

モザンビークで2月24日と3月11日の2度にわたり、熱帯性低気圧「フレディ」が上陸した。例年、12月から4月ごろにかけて雨期となるモザンビークでは、豪雨、サイクロン、熱帯性低気圧などにより、国内各地で大規模な水害が近年発生する傾向にある。

2023年2月の到来時には、2月7日から11日にかけてマプト州一帯を含む南部および中部でも豪雨が続き、同州内の地方部では洪水が発生した。モザンビーク災害リスク管理・低減庁(INGD)によると、この洪水により、水源地からの上水供給インフラが被害を受けたほか、一部地域では携帯電話の通信インフラへの被害が確認された。マプト市でも断水が数日間続くなど、20万人以上の市民生活に影響が及んだ。

3月11日の上陸に際しては、モザンビーク海運局(INAMAR)が、海上安全対策のためザンベジア州、ソファラ州、ナンプラ州での船舶活動を禁止するなど、沿岸地域での警戒が高まった(3月13日付「クラブ・オブ・モザンビーク」)。

モザンビークでは、2019年にサイクロン「イダイ」が中部に上陸して以降、中部および北部には毎年、サイクロンと熱帯性低気圧が上陸している。洪水、冠水などの被害に見舞われた同国中部では、日本政府を含め、さまざまなドナー国、国際機関、NGOによる支援が今も続いている。モザンビーク政府はこれまでの災害経験から、ラジオやSNSを用いた河川流域住民に対する避難勧告を行うなど防災・減災への取り組みを進めている。

(松永篤)

(モザンビーク)

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