新型コロナ1価ワクチンの接種年齢対象を6カ月以上、2価は12歳以上にそれぞれ拡大

(チリ)

サンティアゴ発

2023年04月28日

チリ保健省は4月24日、新型コロナウイルスワクチンの接種対象年齢を4月26日から拡大すると発表した。さまざまな感染症が流行する冬期に合わせて、乳幼児と小児を対象に免疫力を高める狙いがあるとみられる。

これまで3歳以上が接種対象となっていた1価ワクチンについては、年齢制限が生後6カ月以上まで引き下げられた。同様に、これまで50歳以上の年齢制限に加え、基礎疾患を持つ患者、医療従事者、エッセンシャルワーカーなどに限って接種を実施していたオミクロン株対応の2価ワクチンについては、年齢制限が12歳以上まで大幅に引き下げられた。

チリで接種可能な1価ワクチンは、ファイザー製、シノバック製、モデルナ製の3種類があるが、調達状況に鑑み、接種範囲拡大の対象となった生後6カ月以上3歳未満までの乳幼児に対しては、ファイザー製とモデルナ製の2種類が使用される。他方で、国内で接種可能な2価ワクチンは、ファイザー製とモデルナ製の2種類となる(2022年10月3日記事参照)。2価ワクチンは所定回数のワクチン接種(種別に応じて1回または2回)を終えていることのみが接種条件となっているため、ワクチンの効力増強を目的とするブースター接種の有無にかかわらず、接種が可能となっている。

保健省のデータによると、1価ワクチン接種のための年齢制限を生後6カ月以上まで引き下げている国は、チリのほかに米国、カナダ、アルゼンチン、ペルーなどがある。さらに同省は、直近2週間のデータを比較した際に、呼吸器症状を訴えて医療機関へ緊急搬送される患者が年齢によらず増加している点や、特に0歳~15歳の児童が呼吸器症状の悪化によって入院するケースが増えている点に言及し、冬期に備えて積極的にワクチン接種を行うよう、国民へ呼びかけた。

(岡戸美澪)

(チリ)

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