2023年第1四半期の新設外資企業数、前年同期比25.5%増の1万社超え
(中国)
中国北アジア課
2023年04月26日
中国商務部は4月20日の定例記者会見で、第1四半期(1~3月)における外国から中国への直接投資実行額は前年同期比4.9%増の4,084億5,000万元(約7兆7,605億円、1元=約19円)に達したと発表した。商務部の束珏婷報道官は同会見で、好調な滑り出しと評価しつつ、同期対中投資の主な特徴を4つ述べた。
(1)商務部が2023年を「中国への投資年」として外資誘致活動に取り組んできたこともあり、新規設立の外資系企業数が急増した。1~3月の同企業数は前年同期比25.5%増となり、1万社を超えた。
(2)外資系研究開発センター・製造業の誘致強化、「外商投資奨励産業目録」の改定(2022年11月4日記事参照)など昨今打ち出した関連政策の効果が表れ始めたことで、質の高い企業の誘致につながった。業種別では、ハイテク産業向けの直接投資実行額が前年同期比18%増の1,567億1,000万元だった。このうち、電子および通信設備製造業が55.7%増で、科学技術成果の実用化サービスが50.3%増、研究開発・設計サービスが24.6%増、医薬品が20.2%増だった。
(3)国・地域別では、1~3月のフランスから中国への直接投資実行額は前年同期比7.4倍となり、英国は7.8倍、カナダは2.8倍と大幅に増加した。さらに、ドイツ(60.8%増)、日本(47.7%増)、スイス(47.4%増)、韓国(36.5%増)など主要国・地域からの投資が軒並み増加した。また、「一帯一路」沿線国からの投資も27.8%増となった。
(4)1~3月にかけて、契約額1億ドル以上の外資大型プロジェクトによる直接投資実行額は、前年同期比10.4%増の2,232億8,000万元に達し、大型プロジェクトの対中投資が加速している。
また、国家発展改革委員会の孟瑋報道官は4月19日に開かれた記者会見で、今後の投資誘致を加速するため、国家発展改革委員会がここ数年の外資参入に関するネガティブリストの実施効果を評価し、各企業の要望を深く理解し、さらなる投資拡大と対外開放を促進するための政策措置を検討していると述べた。
(富永笑美子)
(中国)
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