2月の日本の農林水産物・食品輸出額、香港向けが前年比40.4%増

(香港、日本)

香港発

2023年04月18日

日本の農林水産省は4月7日、2月の農林水産物・食品の輸出額(確報値)を公表した。

香港向けは2月単月が前年同月比40.4%増の187億円、1~2月の累計は前年同期比9.7%増の312億円と、国・地域別の農林水産物・食品輸出額の中で最大となった(添付資料表参照)。新型コロナウイルス感染拡大に伴う飲食店規制などにより落ち込んでいた輸出額が回復の兆しを見せた。

2月単月の香港向け輸出を品目別にみると、真珠(製品を含む)が前年比4.7倍の46億円と最大で、ほかにもホタテ貝(調製)(10億円、2.5倍)、牛肉(加工品を含む)(7億円、54.8%増)などが大幅に増加した。なお、真珠については、アジア最大規模の宝石・宝飾品の国際見本市「香港国際珠宝展(香港インターナショナル・ジュエリー・ショー)」と「香港国際鑽石、宝石、珍珠展(ダイヤモンド・ジェム&パールショー)」が3月1日から4年ぶりにリアル開催され、真珠を販売する日本企業70社が出展に向けて、2月中に真珠を香港向けに輸出していたことが輸出額の大幅増加に寄与した。一方で、ここ数年に輸出額が増加していた鶏卵(加工品を含む)については、2022年から続く日本国内での高病原性鳥インフルエンザ発生(2022年12月21日記事参照)などから供給不足となり、前年比34.3%減となっている。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う外食規制などの影響を受け、2022年における農林水産物・食品の輸出額上位10カ国・地域の中で唯一、前年から減少となった香港だが、香港と中国間の往来制限も全面撤廃(2023年2月7日記事参照)された2023年は、中国からの旅行者増加に伴う消費回復により、日本からの輸出も増加することが期待される。

(山崎裕介)

(香港、日本)

ビジネス短信 1cfccd7b3b5a0777