2月のGDPは3.1%減、1月からマイナス成長が続く

(ロシア)

欧州課

2023年04月11日

ロシア経済発展省の発表(2023年3月29日)によると、2023年2月の実質GDP成長率(推計値)は前年同月比マイナス3.1%(前月より0.1ポイント増)となった(添付資料表参照)。製造業や小売業は前年から引き続きマイナス成長だった一方、建設業や農業は前年から堅調に推移している。

2月の鉱工業生産は前年同月比1.7%減(前月より0.7ポイント増)、うち鉱業は3.2%減だった。他方、製造業の伸び率は前月から1.1ポイント改善した。主な要因は、建設需要の高まりを背景に、冶金・金属加工業が10.3%増(前月より12.3ポイント増)と回復した。また、機械製造業は2022年12月に15.4%減だったが、1月と2月はともに2.6%減と改善した。

自動車は、前年同月比49.8%減(前月より4.8ポイント増)となった。自動車調査会社アフトスタト(3月2日)によると、2月の乗用車新車販売台数は43.4%減の5万6,148台だった。ブランド別で最も販売シェアが多かったのは地場乗用車最大手アフトワズの「ラーダ」(38.4%)、次いで中国自動車メーカー大手の奇瑞汽車の「チェリー」(12.2%)や長城汽車の「ハバル」(8.97%)が続く。

建設業は、前年同月比11.9%増(前月より2.0ポイント増)と好調が続いている。農業は、2.6%増(0.1ポイント減)だった。

貨物輸送は、前年同月比0.4%減(前月より1.7ポイント増)と落ち込みが鈍化した。

労働市場は安定しており、2月の失業率は3.5%だった。実質賃金は、1月が前年同月比0.6%増だった。中央銀行は、労働市場で人手不足が続いており、インフレ上振れリスク要因の1つになると説明している(2023年3月24日記事参照)。

ロシアの公式GDP統計は、四半期別と年別について連邦国家統計局が、推計値として月次の成長率は経済発展省がそれぞれ発表している。

(小野塚信)

(ロシア)

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