米シェブロン、カミンズ、ウォルマート、北米初の再生可能天然ガスエンジン実証実験で提携

(米国)

ヒューストン発

2023年04月19日

米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)は4月18日、米国エンジンメーカーのカミンズ(本社:インディアナ州コロンバス)および米国小売り大手ウォルマート(本社:アーカンソー州ベントンビル)と、北米初の15リットルの再生可能天然ガス(RNG:Renewable Natural Gas)エンジンの実証実験に取り組むと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

カミンズはエンジンを供給し、シェブロンはRNG由来の圧縮天然ガス(CNG:Compressed Natural Gas)を供給する。ウォルマートのトラックは、インディアナ州からカリフォルニア州まで、シェブロンのCNGスタンドで燃料を補給しながら走行する予定だ。なお、3社は2022年6月に、カリフォルニア州フォンタナのウォルマートの配送センターでRNGエンジンの実証実験に取り組むと発表していた(2022年6月9日記事参照)。

RNGは、牛ふんなど農場から出る有機性廃棄物や、埋め立て地などから発生するバイオメタンを回収・処理して製造される。バイオメタンは、二酸化炭素(CO2)の25倍以上の温室効果があるとされているが、再生可能天然ガスとして利用することで、温室効果ガス(GHG)排出量を減らすことにつながると期待されている。

シェブロンの米州燃料・潤滑油部門のアンディー・ウォルツ社長は「ウォルマートおよびカミンズとロードトリップ、実証実験で提携することは、輸送、業界、および低炭素経済を進めるための当社のすべての製品に依存している顧客に、今日の進歩を提供できる」と述べた。

シェブロンの直近の脱炭素化事業には、3月のテキサス州沖合のCO2回収・貯留(CCS)事業を陸上への拡張や(2023年3月7日記事参照)、JERAと米国やオーストラリアでのCCS事業での提携(2023年3月8日記事参照)、4月のギリシャ海運会社とアンモニアキャリアの共同研究契約締結(2023年4月14日記事参照)、トヨタと再生可能ガソリンの走行実証実験開始(2023年4月18日記事参照)などがある。

(沖本憲司)

(米国)

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